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本・映画・音楽 : エントリ

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実験4号
講談社
hfujii ( 2010/06/26 )

私の知らないピーズというロックバンドの「実験4号」という歌や、ロッキン・オンのインタビューなどから井坂幸太郎がインスピレーションをうけて書き下ろした「後藤を待ちながら」という小説と、その小説を『天然コケコッコー』や『リンダ・リンダ・リンダ』の山下敦弘が映像化した「It's a small world」を合体させた作品。

まず、「後藤を待ちながら」は分かる人には分かるだろうが、ベケットの「ゴドーを待ちながら」のパロディである。もちろん,後藤は、ゴドーと違って神ではないので、待っても待っても決して現れないということはない。

地球人の多くが火星に移住して、地球のわずかな人と廃墟のような風景が残されるなかで、火星にいってしまったバンドメンバーの後藤をめぐって話が進んでいく。

この小説で私が考えた事は、「人の不在」とは何か、ということである。不在といっても、後藤のようにかつて近くにあった人がいなくなるという不在、その人が不在であることによってもたらされる他者への力、などさまざまなことを考えさせられた。

また、この小説では、「ロックンロールとは~である」とさまざまに言い換える場面が出てくるが、これは、教育でも使えると思った。いろいろな物事を子どもたちがどのように見ているのかを、「友だちとは××である」とか「勉強とは××である」とか定義していく事は、子どもたちの生きている世界を照射するのではないかと考えた。

他方、後者の"It's a small world."は、小説の主人公はバンド練習の音として一瞬登場するのみで、小説では脇役であるところの、地球に残された教員一人、用務員一人、児童3人という廃墟のような小学校の構成員のみで物語が展開していく。ここでは、火星にいる父のところにいってしまう卒業生と、下級生が、お互いに不在になることへの不安を描いている。小学校の屋上から見える遠方のビルが倒壊するところに希望を描いているのだろうか。


在庫あり。
キーワード:[井坂幸太郎]  [山下敦弘]  [実験4号]  [不在 ゴドーを待ちながら]  
¥2,940 | 発売:2008-04-24 | セールスランク:117599
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